溺れる遺伝子
「続いてのニュースです。
最近、猫などの小動物の変死が相次いでいます。
小動物はどれも胸部あたりを刃物でえぐられ、酷いもので30か所も切りつけられている極めて残酷な手口で…」
テレビをつけると、ちょうどこの地方のニュースがやっていた。一瞬驚いたが、スリルで面白かった。
“人を殺したわけじゃないし。…死刑にはならない”
ただ、こう軽く思っていた。
「なによ、気色の悪いニュースを見て」
珍しく母が口出しをしてきた。
口には出さないが、母には何も言われたくなかった。
「虐殺だって。」
ヒナは笑いながら他人事のようにふるまった。
最近、猫などの小動物の変死が相次いでいます。
小動物はどれも胸部あたりを刃物でえぐられ、酷いもので30か所も切りつけられている極めて残酷な手口で…」
テレビをつけると、ちょうどこの地方のニュースがやっていた。一瞬驚いたが、スリルで面白かった。
“人を殺したわけじゃないし。…死刑にはならない”
ただ、こう軽く思っていた。
「なによ、気色の悪いニュースを見て」
珍しく母が口出しをしてきた。
口には出さないが、母には何も言われたくなかった。
「虐殺だって。」
ヒナは笑いながら他人事のようにふるまった。