溺れる遺伝子
「お姉ちゃん…」

スズは頭がいい。
きっと今回のことも薄々気づいているはずだ。

しかしあえて何も言ってこない。


「スズ、学校楽しかった?」

「う、うん。あ、お姉ちゃんの制服来年から使っていい?」

「スカート短いよ」

「いいの!短いほうがかわいいし。」


真面目なスズにミニはあまりにあわないだろうけど、とりあえず一緒の制服を着たいのはわかったので、ゆびきりだけはしておいた。

「私も来年から中学生だもんねー」

「そうだね。」



平和な姉妹の会話。

しかし、これがスズとの最後の会話となってしまうのだった。
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