溺れる遺伝子
「ありがとうございましたぁ!」


水着売場の店員が明るく挨拶した。

買い物袋のなかにはオレンジ色の派手なビキニ。
中学生のヒナには似合わない。


試着したときもツバサが一方的に喜んでいるだけだった。


だがヒナは今日も終始喜んでいるふりをしていた。
< 21 / 250 >

この作品をシェア

pagetop