溺れる遺伝子
ウゥゥゥゥゥゥゥウウウウウー…
ウウゥゥゥゥゥウウウウウウ!!!!

サイレンが鳴る。
逃走防止のための非常サイレンだ。

就寝時間間近だったため、施設内は大騒ぎだった。


「ヒナちゃんが脱走したらしい!!」

噂は瞬時に広がり、子供たちはヒナの無事を祈った。



ヒナは走った。

施設を出て…右、左、右に走り、
そのまま大通りを渡る。

駅が見える。

改札で…えっと、切符切符!!


あ…お金がない!!



バタン!!!


急に大きな音がしたと思ったら

既に職員に囲まれていた。
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