溺れる遺伝子
「ははははは、あーっはははははは!!!!」

ツバサはひとしきり笑うとヒナを蹴飛ばした。


「きたねぇんだよ!!掃除しやがれ、早く!!」

「ぞうきんを……」

「なに?ぞうきん?…それはおまえの顔だよ。」


そういうや否や、ツバサはヒナの顔を床目がけて打ち付けた。

張り付くような、あたたかい変な感覚と共にヒナはとうとう泣き出した。


「おおおお、自動で水拭きになるんだな、優秀、優秀!!!」



――――死にたい――――


こんなにはっきり死にたいと思うのは初めてだった。
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