溺れる遺伝子
「や、やめてよ!!」

とうとう耐え兼ねたヒナは女子生徒に立ち向かった。しかし女子生徒は何もないかのように喋り続ける。


「ねぇ!きいてよ!きいてる!?」


すると女子生徒は一斉におしだまってヒナを睨んだ。


「行こう行こう、うるさい蛙がここにいるー」

「うわっきもちわるっ!」

「誰が悪いか考えてほしいよね」

「うちら本当のことしか言ってないし」


ヒナの前には誰も座っていない椅子が6、7個あった。

それをただ見つめるヒナに、クラスメイトは誰ひとりとして声をかけない。


「ざまぁみろ」


誰かがヒナの背中にむかってこう言い捨てた。
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