溺れる遺伝子
「お嬢さん。嘘はあかんなあ」


学校の廊下を歩いていると肩に手を置かれた。


「あ……」

それはいつかの上級生だった。


「その髪、そのピアス、そのスカート…彼氏にやられたんだっつったよなぁ?
…そんだけやられたら怯えてんだろ?彼氏とやらに。」

「……確かに彼氏はちょっと怖いとこあります」


「あのさーこのまえーおまえが彼氏と海にいるのを見たんだよね」

「……」

「あんだけ仲良さそうにしといて怯えてるとかアリなわけ?」


「……でも確かにこの髪と…」


「まぁまぁまぁまぁ、要は覚えてろよってことさ。
あたしはあんたがどうなっても知ったこっちゃないわ。
楽しみにしてろや」


「待って、誤解…」

「おまえ、先輩には敬語使え」

「……。」



ドンッ!!

頭を掴まれ、壁にたたき付けられた。

幸いにもこれから夏休みだけど…


ホントに染められたのに…
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