溺れる遺伝子
「ゴメン!!」


夏休みの最初の日、ツバサはヒナを見るなり手を合わせて謝った。


「ホントにごめん…俺が悪かったよ…俺がヒナの誕生日忘れるなんて…うっかり」


「い、いいよ謝らなくて…私自身も家に帰るまで忘れてたし」

「いやいや、本当に申し訳なかったと…。」


「……?ツバサ?どうしたの?」

「それ…何?」

「あぁ!これ?お義父さんにもらったの!
かわいいでしょ、ピンクのハート!」


「ふぅー…ん、ちゃんと新しい家族ともうまくいってるんだ」


「うん、まあまあかな
…妹達もお姉ちゃんって言ってくれるようになったし」
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