溺れる遺伝子
「好きです!」

たった一言だけど叫び半分で言ってみた。



「………つきあおっか。」

彼は微笑んだ。
うれしかった。


ただ、その頃の私にはつきあうという概念がわからなかった。


「つきあうって…なんだ?」


ヒナの頭の中には一組の男女が手を繋いで遊園地を歩いている図しか思い浮かばなかった。

何も知らない。

告白したはいいもののヒナは戸惑うばかりであった。
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