溺れる遺伝子
そんな中、とうとうヒナは月のものがくるようになったのだ。


「……」

「おめでとう!」


母は喜んで赤飯を炊いてくれたり、必要以上におなかまわりを気にしてはらまきを買ってきてくれたりした。

「これでお嫁にいける準備ができたわね!」

母は勝手にはしゃいでいる。

その様子がなんだかむなしかった。


…きっと母も、娘が中二にもなって生理がなかったのがよほど心配だったんだろう。
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