溺れる遺伝子
ホテルに入り、シャワーを浴びる。

今はクリスマスの時期だからだろうか…。

整えられすぎたこの部屋ではクリスマスツリーが七色の光を放っている。


ふかふかのベッドの上に大の字になって天井を見ると、…鏡だった。


フリルのクリーム色のミニスカート…
こげ茶のジャケット…
大きなリボンがついた白いブラウス…

これらはすべてツバサが買ってくれたものだ。


年齢的にまだアルバイトができないヒナ。
ツバサはそんなヒナによく服を買ってくれた。


そしてそれを一枚一枚脱がすときにツバサは必ずつぶやくのだ。


「これは俺があの時かってやったんだよな…」

と。
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