溺れる遺伝子
…。

「……え?…なにやってるの……ツバサ!!?」

次に気づいた時は体の後ろ側に両手がまわされ、結び付けられていた。

みわたすと既に何本ものロープが用意されている。


「ねぇ…つばさ……やめて…」


「ばか。安心しろ。大丈夫だ。」



…両足も不自由になる。

…首にもゆるくロープがかかる。


そのロープのはじをツバサは持つと、軽く引っ張った。


「う……」


「ヒナ……



命乞いしてみて…」



「へ……?」




あまりの突然のツバサの頼みについていけず、ヒナはたじろいだ。



「おい!!!!…いーのーちーごーいっ!!!!!」


ロープを強く引っ張る。
首が一瞬絞まる。…苦しい…。

首のロープにつられて体のバランスが崩れた。
両腕両足の自由を奪われたヒナはまるでイモムシのようだった…。

…肌色の…イモムシ……。
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