溺れる遺伝子
「ほら、おきろ、ヒナ!!!時間だぞ!!!」

目が覚めると時計はサービスタイム終了の時刻を指している。


「ヒーナ!」


ぽんとヒナのおなかを叩くツバサ。


その瞬間…本能だろうか…ヒナの両手は反射的におなかを守った。

「!」

警戒するヒナの目をみた瞬間、翼の態度ががらりと変わった。


「ヒナ……?こわかったか…?ごめん……」


「ツ バ サ……」



「な、泣くなよ、ヒナ……泣くなって…」


目を見開いたまま涙をぽたぽたと落とすヒナ。


「ごめんな、ごめんな。」


そんなヒナの華奢な体をつばさは優しく抱きしめた。
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