幸せのかたち
プロローグ
必ず迎えに来る。
その言葉を信じてきた。
そして、数年後その約束が
ようやく守られる時が来たのだ。

純粋に嬉しい。
昔、父親の会社は
赤字続きで、
倒産寸前まで追い込まれた。
母親は体調を崩して
ほとんど病院の
ベッドの上で過ごし、
やがて亡くなった。
俺は施設に預けられた。

そしてこの間
父親から連絡を貰った。
「一緒に暮らさないか?」
その言葉は願ってもない事だった。
今は結婚前提で付き合っている
女の人と暮らしているそうだ。
不安もあるけれど、
二人の幸せを応援するし、
俺も上手くやって
いけるように頑張ろうと思う。



俺の名前は高末 真生(まお)。
十五歳の高校一年生。
これからの新しい生活で、
俺はいくつかの出会いを体験する。
< 1 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop