幸せのかたち
「苦しかったでしょ。
でももう大丈夫だからね。」
なぎささんはそう言って、
俺を抱きしめてくれた。
「ありがとう。」
「ふふ、どういたしまして。
あ、そうそう。
もう自宅に帰ってもいいみたい。」


「…って、あんなに
苦しかったのに?」
「何も無い訳じゃないけど、
今はベッドが空いて無いから
検査もしなきゃならないし、
また後日来てくださいって。」
「そうなんだ…。」
いつの間にか敬語が取れていた。
「お父さんも仕事入って
行っちゃったから、
一緒に帰ろうか。」
「…うん。」
ずっと寝ていたせいか、
まだ体がフラフラするので
なぎささんに
支えられて家へ帰った。
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