幸せのかたち
飲み物が出て来たので、飲んだ。
「昔、真生くんはウチに遊びに
来てた事があるの。」
「そうなの?」と、茉美。
「小さい頃の話だよ。
めぐのお母さんが
仕事で遅い間だけ。」
茉美は耳打ちで静かに、
「それでもやっぱり…
隠さないでほしかった、な。」
と言った。
茉美は隠し事が
嫌いなんだなと思った。
早めに紅茶嫌いの理由も
話さなければ、とも思った。
でもどうやって
切り出せば良いのか…。
嘘をついているのも
言い出せない原因の
一つだと感じた。
俺は今さらだが後悔した。
< 122 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop