幸せのかたち
自宅では、心配そうな顔の
さくらが待っていた。
どうやら心配で学校を早引き
してきたらしい。
「お兄ちゃん、大丈夫…?」
「さくら、ごめんな。
でももう心配ないから。」
「良かった…。
私、心配で心配で勉強なんか
手につかなかったよ…。」
すると、なぎささんが
「さくら!あなた
それじゃ駄目でしょ?」
と、怒った。
「てへへ、だって
しょうがないじゃない。
緊急事態だったんだから。」
「もう、しょうがないわね。」


俺はさくらに言った。
「心配してくれて、
ありがとう。」
「えへへっ、
どういたしまして。」
その姿が可愛くて、
俺は思わず
さくらの頭を撫でた。
「ほらほら、真生くんは
疲れてるだろうから、
部屋で休みなさい。
さくら、あなたはお勉強。
早引きした分も、
しっかりやんなさいよ?」
「はぁ~い。」
「はぁ~い。」
二人の声が揃ったので、
二人して笑った。
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