幸せのかたち
その時。
『ルルルル!』
電話が鳴った。
取ると、医師だった。
『ドナーが見つかったよ。』
「ホントですか?」
『私の病院に居る。
家族の同意も取れているから
君さえ良ければすぐに出来るよ。』
「…受けたいです。
ですが、一日
考えさせてください。」
『解った。
じっくり考えなさい。』
電話を切り、俺は泣いた。
気持ちはぐちゃぐちゃだった。
嬉しいのか悲しいのか
良く解らない。
脳死とは言え、生きているのだ。
それを自分は
壊そうとしているのか。
怖い。
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