幸せのかたち
翌日。
ベッドが空いたので
検査入院する
ことになった。
午後になってから、
心配した茉美が
駆けつけてくれた。
「真生。大丈夫…?」
「大丈夫だよ。
さすがに昨日は参ったけど。
あれからあんなに苦しいって
感じることは無いし、
検査しないと
詳しいこと解んないけど、
多分大丈夫だよ。」
「それなら良かった…。
あたし、真生が居ないと
寂しいよ。だから、
早く戻ってきて。」
「茉美…。」


「あたし不安なんだ。
このまま真生が
戻ってこなかったら
どうしようって。」
「…縁起でも無いこと
言うなよ。」
「ごめん…でも
それくらい不安なの。」
「…うん、解ってる。
でも、俺も同じだよ?
いや、きっと
茉美以上に不安だよ。」
「…そうだよね。
ごめん、あたしより
真生が不安だったね。
…ほんとあたしって
自己中。真生の事
思いやれないなんて。」
俺は起き上がり、
茉美を抱きしめた。
「違うよ。茉美は十分
俺の事気に掛けてる。
自己中なんかじゃない。
今は、検査の結果が
良いように祈ってて。
いい?」
茉美は頷いた。
俺は茉美を
抱きしめたまま、頭を撫でた。
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