幸せのかたち
移植の話をすると、やはり茉美は
複雑そうな声で言った。
『喜んでいいのやら、
はたまた人の死だから
悲しんでいいのやら…
難しい所よね。』
「うん…。
茉美だったら、どうする?」
『あたしなら、受ける。
自分が大切みたいな
言い方になりそうだけど
そうじゃなくて、
やっぱりその人が
見れない未来を
自分が見てやらなきゃ、
って思うし。』
「そうだな…。
茉美、ありがとう。
なんか元気出た。」
『今まで真生は辛い事
いっぱい乗り越えて
きたんだから、これで終わりに
すればいいんだよ。
私は真生が
やりたいんだったら
応援するから。』
「うん。」
そんな話をして電話を切った。
俺はやっと決心がついた。
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