幸せのかたち
電車に乗って帰る。
ふと、さくらが言った。
「お兄ちゃん、鈍感すぎ!」
「何が?」
「ほら、解って無い!」
「だから、何が?」
「めぐさん、
お兄ちゃんの事
好きなんだよ。」
(は?)
「えぇ~?何、それ。」
考えても見なかった。
「はぁ…これだから男は。」
中学一年生に
言われてしまった。
「しょうがないだろ、
ストレートに
言ってもらわなきゃ
解んないっつの!」
もはや、俺たちの会話は
周りの注目を浴びていた。
「だって、あれじゃあ
めぐさんが可哀想だよ。
ずっと待ってたんじゃない。」
「あぁもう、うっさいな!
ほっとけよ。」
俺はイライラしていた。
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