貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
ゲルハルトのように頭上に耳はないが、尾はあった。しかし毛に覆われたものではなく、表面がつるりとしている。光沢のある真珠色は規則正しく並んだ鱗に艶やかさを与えていた。
「そのままの意味でしょう」
「人間をこの国に置くつもりはない」
咄嗟に言ってからすぐ、ゲルハルトは口を閉ざした。
王としてではなく個人としての言葉が思わずこぼれ出たのだと、やり取りを見ていたナディアは感じ取る。
「そういうわけにもいきませんよ。ひとまず客人として部屋を用意いたしましょう。手配は私のほうで行いますので」
国王のゲルハルトに対し、エセルと呼ばれた男は一歩も引かなかった。
「そのままの意味でしょう」
「人間をこの国に置くつもりはない」
咄嗟に言ってからすぐ、ゲルハルトは口を閉ざした。
王としてではなく個人としての言葉が思わずこぼれ出たのだと、やり取りを見ていたナディアは感じ取る。
「そういうわけにもいきませんよ。ひとまず客人として部屋を用意いたしましょう。手配は私のほうで行いますので」
国王のゲルハルトに対し、エセルと呼ばれた男は一歩も引かなかった。