貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
 蒸し野菜の後にまた野菜を供された理由に悩む間もなく、しゃきしゃきとした生野菜のサラダも一瞬で平らげる。

 おそらく手製であろうドレッシングを気に入ったナディアは、なんとかしてこれを実家に送れないだろうかと考えた。

「おまちどおさん。あんたが甘いもの好きだといいんだが……」

「大好きよ!」

 食後のデザートが運ばれてくる頃には、大男とすっかり打ち解けていた。

 次はなんの料理が来るのだろうと待ち構えていたナディアは、大男が持ってきた熱々のパイを見て歓喜の声をあげる。

「これで最後よね。大事に食べなくちゃ」

 デザートはりんごのパイというには生地が薄くやわらかかった。

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