貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
「そうね……。悩ましいけれど、蒸し野菜かしら? あんなにおいしい野菜を食べたのは初めてよ。それもあの三種類のソースのおかげだと思うのよね。特に黄色い器に入った甘辛いソースが好き。あっ、あと最初の貝も衝撃的だったわね。貝ってもっと生臭いじゃない? だから火を通していないものは苦手だったの。だけどあれならあとニ十個くらいは食べたいわ」

 ぱくぱくとパイを食べながら素直な感想を告げ、ようやくナディアは正気に戻った。

(私、なにを馴染んでるのよ)

 今食べているデザートが大男の用意する最後の料理である。

 ならば、この後に待ち受けている未来はひとつしかない。

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