貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
「ほかに言うことはないのかい、馬鹿たれ」

 叱られた大男が縮こまって落ち込んでいる。

 ナディアは自分が最初にどう思っていたかも忘れ、咄嗟に口を挟んでいた。

「本当においしかったの。だからもう怒らないで。もし許されるなら、明日からもこの人の料理を食べたいわ」

「聞いたか、ベス!」

「調子にのるんじゃないよ!」

 ぱあっと顔を輝かせた大男が一瞬で小さくなる。どうもこの女性には勝てないようだ。

 このままではずっと大男が叱られ続けると判断したナディアが、品よく立ち上がってふたりに礼をする。

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