貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
「だったら庭で食後のお茶にすりゃあいい。今日は天気もいいしな」

「だ、そうですがいかがいたしますか?」

 エセルに尋ねられ、ナディアは食堂の窓から外を見た。

 アウグストの言う通り、気持ちのいい晴天だ。

「いいわね。この国の空気にも早く慣れておきたいし」



 しかし外へ出たナディアはほんの少し後悔していた。

「顔が冷たいわ……!」

 ナディアのために用意された暖かな服は、彼女の身体を守ってくれている。だが、顔や手などの肌が露出している箇所はそうもいかない。

「中へ戻りましょうか?」

 そう言うエセルはナディアほど寒がっていない。

< 169 / 498 >

この作品をシェア

pagetop