貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
 王妃として威厳を保ち、粛々と国とジャンに尽くした結果があれである。

 誰も信じてくれなかったのは、自身が歩み寄らなかったからだとナディアは考えていた。

 ジャンに対してさえそう思っていたから、二度目の死を迎えないよう媚びようとしたのだ。

 殺されたくないから仲良くしておく、といえば下心しかないように聞こえるが、ナディアは純粋にメイドたちとの会話を楽しんでいた。

 昼食を終えて廊下を歩いていると、向こうから来たエセルと目が合う。

「お疲れ様です。今日もご不便はありませんか?」

「いつもありがとう。素敵な一日を過ごせているわ」

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