貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
 なにげなく自分の印象を伝えたナディアに、エセルがうなずきを返す。

「そうですね。ですが、それは私から話すことではないでしょう」

「わかったわ。あの人が話してくれるのを待ってみる。そのほうが仲良くなったって感じがするものね」

「あなたの前向きさは尊敬に値しますね」

「あら、皮肉で言ってる?」

「まさか。素直に褒めているのですよ」

 じっとナディアはエセルを見つめた。

 ゲルハルトとの会話が少ない分、エセルと話す機会は多い。

 しかしいまだにこの男がどういう考えを持ち、ナディアをどう評価しているのかがわからなかった。

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