貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
「ごめんなさい。ちょっと嫌味っぽかったわね。あなたの考えが変わってくれたならうれしいわ。これからたくさん話しかけさせて」

「いや、それは遠慮しておく」

「話したいなら話していいって言ったのに……」

 肩を落としたナディアは、ふっと笑い声が聞こえた気がして顔を上げた。

 ゲルハルトはいつも通りの無愛想な真顔だ。しかし普段よりはまとう空気がやわらかい。

(少しは馴染んだって考えていいのかしらね。いつか人間嫌いの理由も教えてくれたらいいのだけど)

 ナディアはゲルハルトの変化を素直に喜んだ。

「元婚約者に気に入られようと努力するのはやめたのか?」

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