貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
 なにげない質問が聞こえ、ナディアの上向きだった気分が陰る。

「嫌なことを思い出させないでほしかったわ」

「死にたくないと泣いていたのに、もう諦めたのかと思ってな」

「今だって死にたくない気持ちに変わりはないわよ。というより、死にたがる人なんていないでしょう」

 ゲルハルトはそれには答えない。

「ジャンは……そうね、自分でもどうしたらいいかわからなくて」

 未来は大きく変わり、ナディアの知らないものになった。

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