貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます！～二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?～

「こうすれば大丈夫だろうって思って生きてきたの。だけどそうじゃないかもしれない。……ごめんなさい、あなたからすればなにを言っているか理解できないわよね。気が狂ったわけではないのよ」

「別にそうは言っていないだろう」

　突き放すようにも聞こえるが、そういった冷たさは感じられない。

「だけどね、ここでの生活が気持ちを変えてくれたと思ってる。誰とどう向き合っていくかもう少し考えてみたいわ」

「場合によってはまたその男のもとへ戻ると？」

「その可能性もあるわよ。だってあの人が私を殺すのだから」

　ゲルハルトはなにか言いかけて口を閉ざした。

　それを見たナディアがくすりと笑う。