貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
なぜかナディアの顔がますます赤くなる。
「あなたのほうがもっとわからないわ」
そう言い返して、再び部屋の清掃を始める。
「……でも、ありがとう」
自身を殺した男に嫌われまいと尽くすより、自分の力で生きていくほうがずっといい。
新しい場所で、新しい人々と、かつては手に入れられなかった未来を掴み取るのだ。
もうナディアは、流されて他人に人生を奪われるような人間にはならない。