貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
「薬を作るにはこの袋に入った実が必要になります。これが私たちにとって、命にかかわるほどの猛毒でして……。よって、薬にも触れられません」

 エセルの言う私たちとは、現在謎の病に犯されていない鱗を持つ獣人を言う。

 ナディアは実の入った袋の口がきつく縛られている理由を理解した。

「香りだけでも変調が表れるほどです。私も正直、同じ空間にはいたくありません。本能的に逃げ出したくなるのを今も抑えています。ですので、突然飛び上がってもお許しくださいね」

「説明が必要ならほかの部屋でもいいのよ。無理しないで」

「あなたに薬の作り方を伝えねばなりません」

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