貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
「俺の飯を喜んでくれたからな。滋養のあるもんをたくさん食わせてやらないと」

「少しでいいんだからね。あんたに合わせたら量が多すぎて逆に困らせかねないよ」

 とりあえず、とベスは腕をまくってナディアの部屋を見回した。

 多くの獣人たちが病に倒れたせいで、部屋の掃除もまともに行われていない。

 ここが城の一室でなければ、窓枠に埃が積もっていようと気にならないだろう。

「こんな部屋じゃ休めるものも休めないだろう。あんたたち、ナディア様を起こさないよう静かに掃除するんだよ」

「はい!」

 ベスのひと声を聞き、五人が声を重ねて答える。

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