貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
「……部屋に必ず誰かしらを残しておけ。異変があった時、すぐ対応できるように」

「かしこまりました。こちらから伝えずとも、ナディア様つきのメイドたちは寝ずに対応するつもりのようですが」

 それを聞いたゲルハルトが少し咳き込んでから顔を上げる。

「いつから彼女をそう呼ぶようになった?」

 質問されたエセルは意外そうに細めがちな目を開いた。

 聞かれるとすれば、なぜメイドたちがそこまでするのかという点だと予想していたが、まさかナディアを名で呼んだことについて問われるとは思わない。

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