貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
「以前は家名で呼んでいただろう。どういう心境の変化だ? おまえは人間を受け入れろと言うくせに、信用していないのだと思っていたが」

「ええ、そうですね。少し前まではいろいろと思うところもありましたよ。所詮、違う生き物ですから」

 ナディアもこうしたエセルの一面に薄々気づいてはいたが、実際に言われれば衝撃を受けるに違いない。

 表面上は穏やかでもエセルはこういう男だった。

 自身の目的に利用できるかどうか、さらに言うならばゲルハルトのためになるかどうかで他人を判断する。ある程度やり取りを繰り返しながらも、ナディアを冷ややかに観察していた。

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