貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
「ですが、ナディア様に対しては考えを改めるべきかと思いまして。ずいぶんと手伝ってくださったのですよ。薬の調合もそうです。私たちには猛毒だと伝えたら、恐れずに代わりを引き受けてくださいました」

 蛇やトカゲの獣人の命を奪いかねないのなら、人間はどうなのか。

 ナディアはそう質問して当然だったのにしなかった。

「日頃のあの方を見ている限りでは、そこまで考えが至らなかった可能性の方が高いでしょう。ですが、彼女が我々のために身を尽くしたのは間違いありません。私はその姿を見ています」

「要するにおまえはあの人間を認めたんだな。利用する存在から、彼女個人として見るようになったわけだ」

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