貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
 メイドに命じてひとりになると、ナディアは自身の妄想と向き合った。



 結論からいうと、ナディアは現在の自分が二度目の人生を歩んでいると認めた。

 猫騒動から数日、注意深く過ごしたおかげで確信したのである。

 使用人同士のささやかな諍いや、街で起きた盗難事件。今年は小麦が高くなりそうだというメイドのぼやきに、父が遠方から取り寄せたサプライズのお菓子。

 どれもナディアが夢だと思っていた記憶の中にあるものだった。

 こうなると、一度経験した人生をやり直しているのでなければ説明がつかない。

(となると、これからどうするかなのよ)

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