貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
 ナディアがジャンに感じていたのは友人に対するような穏やかな想いだけだ。それでも王妃としての務めはよく果たしたように思う。

(思えば一度目の人生の私は、ずいぶん流されていた気がする)

 そうするべきだからという理由でなにもかも受け入れ、今の自分に求められる最善を尽くそうと努力していた。しかしその結果があのつらい最期ならば、果たして正しかったのかどうか。

(今は考えすぎないようにしましょう。二度目の人生をどうやり直すかに集中しなくては)

 まず、最優先すべきは灰の塔への投獄を阻止することだ。

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