貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
ひどく黴臭く、埃と砂にまみれている。それでも構わないと思えるほど、彼女は水分に飢えていた。
(どうしてこんな終わりを迎えなければならないの?)
幾度となく繰り返した疑問は声にならず、彼女の心の奥底に落ち込んでいく。
(ジャン。コリンヌ。私があなたたちになにをしたというの……)
夫でありこの国の王でもあるジャン・ベケット・フアール。
そして彼が正妻の王妃よりも寵愛した側室、コリンヌ・デジレ・シャピュイ。フアール国の王族にのみ許されるはずの氷にも似た青――レスティライトカラーの使用を認められた唯一の女性である。
(どうしてこんな終わりを迎えなければならないの?)
幾度となく繰り返した疑問は声にならず、彼女の心の奥底に落ち込んでいく。
(ジャン。コリンヌ。私があなたたちになにをしたというの……)
夫でありこの国の王でもあるジャン・ベケット・フアール。
そして彼が正妻の王妃よりも寵愛した側室、コリンヌ・デジレ・シャピュイ。フアール国の王族にのみ許されるはずの氷にも似た青――レスティライトカラーの使用を認められた唯一の女性である。