貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
幸せな王妃と二度目の人生
ナディアは両親に向けて手紙を書いていた。
これまでは自分のことで手いっぱいだったが、これからは心の余裕がある。
最後に署名をした時、真後ろから声がした。
「そろそろいいか?」
まったく気配を感じさせなかったために、ナディアがびくりとして振り返る。
「もう、誰かと思ったわ」
「この部屋に俺以外の者が来ると思うのか」
ナディアの私室はふたりの寝室と続き部屋になっている。寝室を挟んで続いているのがゲルハルトの部屋だ。
「メイドたちかもしれないでしょ?」
「俺たちの関係を公表してから一度も夜に訪れていないと思うが」