貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
「身近では聞かないが、いるんじゃないか? そもそも俺たちは獣と人間を結びつけるために、女神が作った種族とされている」
「えっ、なにそれ。初めて聞く話よ」
「聞かれなかったからな」
それは獣人たちの間に伝わるおとぎ話のひとつである。
寝物語に親から子へ伝わる、優しい女神の話だ。
「〝最初の狼〟と人間が恋に落ちたのが始まりだ。互いを想っていても愛を交わせないふたりを哀れみ、女神は狼を人の形に、人間を狼の形にしたという。だからエスタレイクの王は代々、狼の獣人から選ばれるんだ。〝最初の狼〟の血はとうに失われているだろうがな」
「そういう昔話は全然調べなかったわ。もっと教えて」
「えっ、なにそれ。初めて聞く話よ」
「聞かれなかったからな」
それは獣人たちの間に伝わるおとぎ話のひとつである。
寝物語に親から子へ伝わる、優しい女神の話だ。
「〝最初の狼〟と人間が恋に落ちたのが始まりだ。互いを想っていても愛を交わせないふたりを哀れみ、女神は狼を人の形に、人間を狼の形にしたという。だからエスタレイクの王は代々、狼の獣人から選ばれるんだ。〝最初の狼〟の血はとうに失われているだろうがな」
「そういう昔話は全然調べなかったわ。もっと教えて」