貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
「じゃあ、女神様にありがとうって言わなくちゃ。私もあなたに出会って考え方が変わったもの」

 人間に獣人の言う女神を信仰する者はいない。

 だがナディアはゲルハルトが口にしたその神を信じてみたくなった。

 なぜ二度目の生を受けたのか、ゲルハルトと結ばれるためだったのだとしたら理解できる。

「ナディア」

 ゲルハルトがささやくように名前を呼び、小さな手を握り締める。

 指を絡め、手のひらを重ねながらナディアに口づけを落とした。

「改めて、俺のつがいになってほしい」

「喜んで。任せてちょうだい。王妃としての振る舞いはそこそこ詳しいつもりよ」

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