貢ぎ物の令嬢ですが、敵国陛下に溺愛されてます!~二度目の人生は黒狼王のお妃ルート!?~
番外編:五人のメイドたち
みゃあう、という甘えたような鳴き声が聞こえると、ネズミ獣人のミーチェはびくりと身を震わせた。
「それ、やめてって言ったのに!」
「ああ、ごめん。つい出ちゃった」
あまり悪びれずに肩をすくめたのは、彼女の同僚、猫獣人のマァレだ。その隣で、同じ猫獣人のアイメが笑っている。
「気を抜くと出ちゃうんだよねー、わかるわかる」
「アイメだけだよー、わかってくれるのは」
「そりゃあ同じ猫同士なんだから、そうなるに決まってるでしょ」
むうっと唇を尖らせたミーチェを撫でながら、犬獣人のファロが言った。
「喧嘩したら、ナディア様に言いつけるからね!」