政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
Prologue


 ベッドの縁に掛ける私のとなりに寄り添う彼の表情に色はない。

 そのせいか、整った美しい顔は冷たく私の目に映っていた。

 背中にあるワンピースのファスナーがゆっくり下されていく。

 肩から袖が落ちていき、サテンのスリップが露わになった。

 温かい指先が二の腕に触れて、スリップの肩紐に指がかかる。

 どこを見たらいいのかわからず、彼のネクタイの結び目をじっと見つめていた。

 初めてのことで、ひとつひとつ自分の行動が間違っていないか不安になる。

 こうして何もせず、ただじっとしていていいのだろうか。自分で服は脱がなくてよかったのか。それすらよくわからない。

 するりとスリップが落ちて、白いブラが現れる。

 恥ずかしくなって反射的に両手で胸元を隠してしまうと、彼は黙ってその手に触れる。

 剥がすようにして取った手の甲に、そっと口づけを落とした。


「あっ──」


 後ろに体が倒され、背中がベッドに沈んでいく。

 私を組み敷いた彼は片手でネクタイの結び目を掴み、ゆったりとした動作でそれを緩め外した。

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