政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
「ただいま」
「はい、おかえりなさい」
「なんかいい匂いがする」
「トムヤムクン作ってました」
拓人さんは「えっ」と言って体を離す。私の顔を覗き込んだ。
「トムヤムクン? そんな難しそうなの作ってるのか」
「材料が少し難しい感じですけど、作るのはそうでもないです。今日、習ってきたのでせっかくだから作ってみようと思って。お好きですか?」
「好きだよ。楽しみだな」
拓人さんの手が私の髪を優しく撫でる。「着替えてくる」とリビングを出ていった。