政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜


 明日帰ってくるはずだった拓人さんからの吉報に思わず笑顔がこぼれる。

 新生姜のきんぴらが作り途中だったことを思い出し、急いで続きに取り掛かる。

 もうすぐ着くと言っていただけあって、電話後十分もしないうちに拓人さんは帰宅した。


「おかえりなさい」


 玄関を開けると、拓人さんと秘書の及川さんの姿があった。

 秘書の及川さんが運んできた拓人さんのスーツケースを「失礼いたします」と玄関に運び入れてくれる。


「すみません。いつもありがとうございます」


 及川さんは拓人さんが副社長に就任してからずっと側近で秘書を務めてくれている人だと聞いている。

 穏やかで落ち着いた所作と言動が身についている方だけど、がっちりとした大きな体で身長も拓人さんと同じくらいに高いからとても迫力がある。

 聞くところによれば大学時代はラグビーに力を注いでいたそうだ。

 納得の迫力だから、秘書というよりボディーガードに間違われてもおかしくない。

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