政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
妻としての自信



「こんばんは! ようこそー」


 玄関ドアが開くと、早苗さんは私たち夫婦を明るく迎え入れてくれる。


「お招きいただきありがとうございます」

「こちらこそ。来ていただけて嬉しいわ。さ、入って入って」


 お隣に引っ越してきた三栗谷夫妻と拓人さんが知り合いだったということがわかって数日後。

 三栗谷夫妻が私たちをぜひ食事に招きたいと拓人さん経由で連絡が入った。

 ちょうど拓人さんの仕事の都合もつくということで、お言葉に甘えてお邪魔するという返事をした。

 拓人さんは早苗さんのことを学生時代の友人だと教えてくれた。

 下の名前で呼び合うのは、きっとその頃の名残なのだろう。


「こんばんは。ようこそいらっしゃいました」


 リビングダイニングに通してもらうと、ご主人の隆史さんが待っていた。

 三栗谷夫妻の部屋は、モノトーン調の家具で揃えられた落ち着いたインテリアだった。

 うちはホワイトを基調としたリビングだから、ブラックで落ち着いた大人な雰囲気に少し緊張する。

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