政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
となりには拓人さん、拓人さんの向かいに隆史さんが座り、私の向かいに早苗さんが座る座席だ。
隆史さんがみんなのグラスにワインを注いでいき、乾杯の準備が整う。
早苗さんが「では……」と率先してグラスを掲げた。
「この素晴らしき偶然に、乾杯!」
グラスは重ねることなく、各々その場で「乾杯」と上品にグラスを持ち上げる。
口元に運ぶと芳醇な濃い香りが鼻をかすめ、それだけで酔ったようなふわっとした感じを覚えた。
「でも、本当におとなりに拓人が住んでいるなんて驚いたわ。引っ越してきた日、隆史さんとふたりで話してたの、連城なんて名前、もしかして拓人じゃないかって。でも、結婚したの聞いてなかったから」
早苗さんの視線が、拓人さんから私へとちらりと向けられる。
挨拶に来た際、出てきたのが見知らぬ私だったから〝連城〟と言われても確信がもてなかったということのようだ。
「ああ。茉莉花とは一年近く前に一緒になった」
「そうだったのね。許婚がいるって、学生時代から言ってたものね。こんな可愛らしい方だったなんて」
私へと向けられる早苗さんのにっこりとした笑顔。
褒めてもらうのは得意ではなくて、微笑を浮かべて「いえ」と謙遜する。
隆史さんがみんなのグラスにワインを注いでいき、乾杯の準備が整う。
早苗さんが「では……」と率先してグラスを掲げた。
「この素晴らしき偶然に、乾杯!」
グラスは重ねることなく、各々その場で「乾杯」と上品にグラスを持ち上げる。
口元に運ぶと芳醇な濃い香りが鼻をかすめ、それだけで酔ったようなふわっとした感じを覚えた。
「でも、本当におとなりに拓人が住んでいるなんて驚いたわ。引っ越してきた日、隆史さんとふたりで話してたの、連城なんて名前、もしかして拓人じゃないかって。でも、結婚したの聞いてなかったから」
早苗さんの視線が、拓人さんから私へとちらりと向けられる。
挨拶に来た際、出てきたのが見知らぬ私だったから〝連城〟と言われても確信がもてなかったということのようだ。
「ああ。茉莉花とは一年近く前に一緒になった」
「そうだったのね。許婚がいるって、学生時代から言ってたものね。こんな可愛らしい方だったなんて」
私へと向けられる早苗さんのにっこりとした笑顔。
褒めてもらうのは得意ではなくて、微笑を浮かべて「いえ」と謙遜する。