政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜


 拓人さんは、国内トップを争う老舗ホテルグループ『RENJYO』の御曹司であり副社長。そして、次期代表取締役でもある。

 東京、千代田区にある『RENJYO TOKYO』をはじめ、国内主要都市にグループホテルを多数持ち、ここ十年では世界進出も果たし今も尚成長し続けている。

 そんな拓人さんの許嫁となっていた私は、京都にある創業百周年を迎えた老舗旅館『天妙庵(てんみょうあん)』の一人娘。

 拓人さんのお父様と私の父が古くからの友人であり戦友で、私と拓人さんは親同士の約束で許婚とされていた。

 幼い頃から年に一、二度、互いの両親に連れられ会う程度だったけれど、私は物心ついた頃から拓人さんのことがずっと好きだった。

 五つ年上の拓人さんは、礼儀正しくいつも凛としていて、子どもの頃から他の子とは違う雰囲気を持っていた。

 生まれながらにして将来が決まっている身だから、幼少期から特別な教育を受けてきたことは間違いない。

 だけど、それだけではない何か特別なオーラのようなものが当時からあったのを今でも覚えている。

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